Netflixがサービス価値維持のために欧州における月額利用料を値上げ、英国・北欧は値上げ済み
Netflixがヨーロッパで月額利用料を値上げしたという話。
ドイツ・フランス・オランダは月額$10 (€8.99)が$11 (€9.99)に変更、スイスは$15.26 (14.90スイスフラン)から$13.20 (12.90スイスフラン)に変更。英国と北欧は料金変更済み。尚、既存契約者は料金は変わらず、新規契約者のみに適応。
米国でも過去値上げがありましたが、その時と同じように、あくまでもサービス価値の維持向上が目的とされています。
ちなみにNetflixは公表していませんが、英国の調査会社Future Source Consultingによると、フランスの契約者数は推定75万件、ドイツは推定65万件、欧州最大の契約者を誇る英国は推定450万件、ということのようです。
正確なのかどうか分かりませんが、とあるサイトに各国のNetflixの月額利用料金がまとまっていたのでメモ書きとして引用。
Country Basic ($AU) Standard ($AU) Premium ($AU) Argentina $7.99 ($10.48) $8.99 ($11.80) $11.99 ($15.73) Australia $8.99 ($8.99) $11.99 ($11.99) $14.99 ($14.99) Austria €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) Belgium €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) Brazil R$17.9 ($7.27) R$19.9 ($8.09) R$26.9 ($10.93) Canada $7.99 ($8.25) $8.99 ($9.28) $11.99 ($12.38) Chile $3790 ($7.93) $4290 ($8.98) $5690 ($11.91) Colombia $14000 ($7.13) $15700 ($8.00) $21000 ($10.70) Costa Rica $7.99 ($10.48) $8.99 ($11.80) $11.99 ($15.73) Denmark 69kr. ($13.08) 79kr. ($14.98) 109kr. ($20.67) Finland €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) France €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) Germany €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) Ireland €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) Luxemborg €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) Mexico $89 ($7.64) $109 ($9.36) $149 ($12.80) Netherlands €7.99 ($11.32) €8.99 ($12.73) €11.99 ($16.98) New Zealand $9.99 ($9.80) $12.99 ($12.75) $15.99 ($15.69) Norway 79kr ($12.88) 89kr ($14.51) 109kr ($17.77) Panama $7.99 ($10.48) $8.99 ($11.80) $11.99 ($15.73) Sweden 78kr ($11.86) 89kr ($13.54) 119kr ($18.10) Switzerland 11.9chf ($16.10) 12.9chf ($17.45) 17.9chf ($24.22) United Kingdom £5.99 ($11.61) £6.99 ($13.55) £8.99 ($17.43) United States $7.99 ($10.48) $8.99 ($11.80) $11.99 ($15.73)
BuzzFeedに見る新興メディアと労働組合の関係について
先日のVice Mediaのライターがユニオナイズする話もそうだけど、ギルド(労働組合)に加入するのは、ある種の成長痛みたいな気もするし、いよいよ従業員への手当や福利厚生の駆け引きが活発に。
確かに、組合活動をするということは、従業員の職務を明確に規定しないと交渉できないわけで、指摘しているように会社のダイナミクスや柔軟性に欠け、動きが鈍くなるリスクは大きいのかもしれない。何をやっているか分からないけど、とにかく始めないと答えは出ないっていうような環境で働く場合、いちいち役割なんて固定化できないし。
ユニコーン企業とは言え、メディアのランドスケープなんて、今後いかようにも変わる可能性があるわけだし、会社の競争力が落ちたら、従業員(組合員)も困るわけだし。或いは、新興メディアは、その冠を外す時が来たのか。
Netflixがラテンアメリカ市場向けに全編スペイン語の政治ドラマ「Ingobernable」を製作
Netflixは参入した国に向けたオリジナル番組のローカルプロダクションを推進しているわけですが、今回はメキシコを舞台にした全編スペイン語で作られる政治ドラマ「Ingobernable」の製作が決定。全20話。製作はメキシコのARGOS COMUNICACIÓN。撮影は来年早々。配信は来年後半にNetflix独占。ローカルプロダクションの一環だけど、メキシコだけでなく、移民が多い米国も含めたラテンアメリカ市場に全体に向けた作品という位置づけ。本作に先んじて、8月に全編スペイン語のコメディドラマ「Club de Cuervos」も配信予定。
Netflix参入前にAmazonがインドで動画配信サービス立ち上げへ
インドでAmazon Instant VideoとAmazon Primeが立ち上がると報じらています。時期は今年後半。もう後半なので、年末までにという感じでしょうか。
Amazonは既にインドに参入済みで、今後データセンターと物流センター拡張を優先して投資。その一方Netflixが来年インドに参入すると言われている中で、それよりも先に動画配信事業を始める模様。昨年12月にはSony Entertainment Networks Indiaのニューメディア担当EVPだったNitesh Kripalaniを採用、本件を推進しています。
インドでは現地企業が既に動画配信事業をスタート。インド最大の映画スタジオEros Internationalが自社の動画配信サービスErosNowを展開しており、加入者は1900万人。あ、エロスって言っても、AVじゃないですよ。
あと今年5月にWarner Bros.・Sony Pictures・シンガポール通信最大手Singtelが共同でHooqという新しい動画配信サービスを開始。主要スタジオと現地の作品がラインナップされていて、月額199ルピー(3.20ドル)だそうです。
しかし、私としては「スラムドッグミリオネア」と「深夜特急」で感じとったインドの印象しかないんですが(行ったことないので)、実際どんな感じなんでしょうか。いろいろ気になります。
北欧のメディアグループMTGがYouTubeMCN世界5位のZoomin.TVの株式51%を取得
スウェーデンを拠点に10ヶ国で無料放送を展開し、ラジオや有料放送やオンライン配信も手掛ける北欧のメディアエンターテイメントグループMTG(Modern Times Group)が、世界で5番目に大きいYouTube MCNのZoomin.TVの株式51%を取得したと発表。
月間20億再生、登録者は1億人。YahooやAolを含めた2000のパブリッシャーを抱えています。過去5年平均36%ずつ毎年売上が伸びており、2014年は70%成長。
創業はアムステルダムで2002年で、YouTubeが立ち上がる前から存在していた古参の会社。オフィスはロンドン、ブリュッセル、パリ、デュッセルドルフ、ハンブルグ、マドリッド、バルセロナ、ミラノ、マイアミ、ロサンゼルス、メキシコシティ、サンパウロ、モンテビデオ、ケララ。
MTGは、スウェーデン発のYouTube MCNのSplayの株式も買い増して81%保有。また世界最大のeスポーツリーグElectronic Sports League(ESL)を展開するTurtle Entertainment社の株式74%も取得し、メディアエンターテイメントの事業ポートフォリオ組み替えを推進しています。
スウェーデンのMTGなんて、正直全然知らなかったんですが、ここって北欧や東欧だけでなく、2008年にガーナ、昨年タンザニアで地上波放送を始めているんですよね。
自国のコンテンツを海外に売るだけでなく、海外でつくって海外で流すとか、海外の流通網を手に入れるとか、欧州は積極的です。
そういえば、日本はISDB-Tの普及とタイミングを合わせて、メディアやスタジオへの出資も進めたケースってあるんでしょうか?
Vivendiがフランス通信最大手オレンジ傘下の動画共有サイトDailyMotionを217Mユーロで買収
フランス通信最大手オレンジ傘下だったDailyMotionを、Vivendiが217Mユーロ(約296億円)で買収したと発表。この話は前から出ていましたが、正式に発表したようですね。
Vivendiは傘下に世界最大の音楽グループUniversal Music Groupと民間テレビ局Canal+(カナルプリュス)を抱えており、買収をきっかけにOTTサービスと海外転換を加速させる模様。
Canal+は、フランスでコメディ動画を配信していたYouTube MCNのStudio Bagelを昨年買収、9チャンネル11タレントを抱えています。またCanal+自体も、Canal Factoryという自前のMCNも展開しており、既に多くのYouTubeチャンネルを運用しています。