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メディアとテクノロジーの交差点

米Hulu、サブスクリプションと広告の収益比率は半々、広告フリーの有料オプションは結局利用されず

 

 

米Huluは、NBCU・Fox・Disneyのジョイントベンチャーとして、もともと広告モデルで見逃し配信を主軸で展開していたと思いますが、収益化ポイントを拡張させるために、2010年に$7.99の有料Tier(旧Hulu Plus)を展開を開始。結果として現在はサブスクリプションによる収益と広告の収益の比率は半々になっている状況。そして70%のユーザーがテレビで視聴しているとのことです。ちなみに2015年4月には有料会員は900万人に到達していると発表しています。

有料なのに広告が入っているのはおかしいという批判もあって(それを言い出すとケーブルテレビや雑誌は有料なのに広告が入っていますが)、Netflixの手前じわじわとブランドイメージが下がっており、ついに2015年9月に$11.99の広告フリーのオプションを発表。ただ、結局殆どのユーザーは$7.99のTierに留まっていて、その後クレームはパタッと消えたということです。

2013年10月にJason Kilarから受け継ぐ形でCEOになったMike Hopkins(Huluには2011年にJoin)ですが、就任後に役員たちのポジションを整理。スタジオ出身者が多いこともあってか、当時はコンテンツとマーケティングの話ばかりが議論の中心になりがちだったようですが、結局こうした役員たちは殆ど会社を去り、CEO就任後2年間でHuluは新たに300人を採用。その殆どがエンジニアやプロダクト開発担当で、アドテクに投資を続けてきたそうです。ちなみに広告による収益化で今後重要なのはサードパーティーによる広告測定と指摘しています。

昨今は配信番組ではFoxの大人気ドラマ「Empire | Empire成功の代償」などの独占配信権の獲得、そしてこれからリリースされるJJ Abramsのオリジナルドラマ「11.22.63」(原作はStephen King)などの配信なども進めており、Time Warnerからの出資の話も出てきているので動向が気になります。

Mike Hopkins:Huluに関わる前はFox Networks GroupのPresident of Affiliate Sales and Marketingとして、全米45のチャンネルのディストリビューション・セールス・マーケティング・戦略を統括。またBTN2Go・FXNOW・FOX Sports Go・FOX NOWなどFoxのデジタル関連サービスを担当。