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メディアとテクノロジーの交差点

ソフトバンクの業務提携に見るNetflixのグローバル展開と各国の通信会社との提携状況について

 

Netflixの日本参入が直前に迫っている中で、ソフトバンクとの業務提携が発表されました。メディアでは大々的に報じられていましたが、Netflixが通信会社と提携するケースは、別にソフトバンクが初めてというわけではありません。

例えばフランスでは通信業界3位でブイグテレコム(モバイル契約者の市場シェア14.5%、ISP市場シェア8%)と提携し、ブイグが提供するセットトップボックスを介してNetflixが視聴できるようになっています。また、これに続いてフランスの通信最大手のオレンジ(つまりブイグテレコムの競合)とも提携し、オレンジが展開するセットトップボックスでもNetflixが視聴できるようになっています。

似たようなディールだと(順不同)、米国ではTモバイル、英国ではVirgin Media、ドイツではドイツテレコム、イタリアではテレコムイタリアと提携。ボーダフォンに至っては、英国・ドイツ・オランダ・ニュージーランドにおいてNetflixと提携していて、4Gのパッケージに加入すると半年間無料でNetflixが使えるというようなディールを結んでいるようです。

モバイルでも固定でも、通信会社は自分たちの独自の動画配信サービスもやりながら、ディストリビューション部分で4Gや高速ブロードバンド/光回線へのアップセルにも繋がる好材料としてNetflixのディールを捉えており、逆にNetflixとしてはマーケティングコストを圧縮してサービスを訴求することができるので、双方にとって良い取り組みなんだろうなと。

通信会社の本分は土管なので、自社の動画サービスがこのディールで伸びなくなったとしても、より高額のコースに加入してもらえる方が良いわけなので、別に自社サービスが結果として続けられなくなっても問題ないんだと思います。